フェミニズムは素晴らしい

2018アドベントカレンダーに合わせて開設しました。resighじゃなくresignですが訂正できないのでこのままいきます

「ちょうどいいブス」という呪い

これは Japanフェミニズム Advent Calendar 2018 - Adventar 3日目の投稿です。

 

私は顔面にコンプレックスがあり、今でも写真は撮りたくないし自分の顔が写っている写真を見たくない。

しかし体型は昔から「痩せていた」ため、そこには何の問題も感じていなかった。むしろ「太っている人は痩せることができるんだから痩せる努力をすればいいのに」とすら思っていた。

 

そんな自分が考え方を変えたのは全く興味がなかった『ヘアスプレー』という映画を高校の先輩達に誘われて見に行ってからだ。

『ヘアスプレー』劇中、太っている主人公は太っていることを気にしない、それでも毎日幸せそう。その姿を見て「そもそも太っていることは悪いことじゃない」とわかった。あまりにも価値観が違いすぎてカルチャーショックを受けた。

 

『ヘアスプレー』は太っている子をエンパワメントし、太っていない子も「太ってたって健康に影響がなければ別にいいじゃん」と思わせる力のある作品だったと思う。

 

それに比べて今回ドラマ化が発表された『ちょうどいいブスのススメ』は何だ。

「ブスはブスらしく男性から見てちょうどいいブスになろう!」でエンパワメントするつもりなのか。

ちょうどいいブス認定されて「酔ったらヤれる」認定されるのが現代の処世術?そんな処世術は幸せにつながらない。ヤリ捨てされてメンタルに傷がつく、あるいは避妊に失敗してしまう そんなリスクがあるのに、そこまで考えが及んでいないのか。本当に女性のためにならない価値観であり、クソバイスである。

 

私は自尊心が低かった。今、写真に写ることを避けるのは自尊心を守るためだ(自分は写真写りが壊滅的に悪いだけで普段の顔はそんなに悪くないと言い聞かせてサバイブしている)。人間の自尊心というものは守られねばならないものだし、「私はちょうどいいブスなんだ、それで世の中うまくいくんだ」という思考を内面化することは女芸人の提唱する流行りに乗るだけに見せた茨の道だ。

ある芸人がネタとして提唱する程度ならいい それを支持してドラマ化となると話が違う。そもそも花王が山崎ケイを起用して「ちょうどいいブス」で広告を作って炎上したことをテレビマンたちは知らないのだろうか。

news.livedoor.com

知っててやっているのだろうか。炎上商法なのだろうか。ふざけんな。

ブスは何をどうあがいても侮蔑する言葉であり、『ちょうどいいブスのススメ』を見て内面化した女の子のその後は自分の中の「ちょうどいいブス」という自認に押しつぶされて悲惨な精神状態になるとなぜわからない?

私は『ちょうどいいブスのススメ』を見ないしスポンサーの商品は買わない。

それどころか今から放送中止を決めてほしいくらいである。